火を通すと「ジュワッ、とろっ」。
煮て良し・焼いて良し・炒めて良しのナスですが、お漬物にするお宅も多いのではないでしょうか。
私も夏になるとキンキンに冷やした煮びたしが無性に食べたくなります。
日本人に馴染み深い食材のナスですが、その栄養や効果はご存知でしょうか?
よく食べる食材だからこそ、その栄養素がどのような効果をもたらすか知っておきたいものです。そこで、今回はナスの栄養と効果について見ていきたいと思います。
Contents
ナスの栄養素
夏が収穫最盛期のナスは90%以上が水分でできていると言われています。水分ばかりで栄養なんてないように思われがちですが意外な栄養素を持ち合わせている食材です。
ナスに含まれる代表的な栄養素と含有量【※食品100g(ml)当たり】
主な栄養素として、β-カロテン・アントシアニン・カリウム・食物繊維が含まれます。
β‐カロテン…100mg
緑黄色野菜に多く含む栄養素です。
残念ながら含有量はニンジンの8,600mgに比べればとても少ないですが、水分ばかりと思っていたナスに緑黄色野菜と同じ栄養素が含まれていたことに驚きです。
油との摂取で吸収率が高まると言われています。またビタミンとの相性も良く、ビタミンを多く含む「かぼちゃ」や「ほうれん草」と一緒に食べることでβ-カロテンの持つ効果を高めることが出来ます。
アントシアニン・・・50~100㎎
アントシアニンはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールと聞くと赤ワインに含まれいているイメージが強いかと思います。「健康のために赤ワインを毎日飲むと良い」と耳にしたことがありますが、含有量が赤ワイン101㎎に対してナス50~100㎎と、食卓に並ぶナス料理からも十分に摂取はできるようです。
カリウム・・・220㎎
ナスに含まれる栄養素の中では一番多く含まれています。
人間の体に必要なミネラルの一種で、不足すると体が一定の体調を保つことが出来なくなります。一般的に昆布類に多く含まれていることで知られおおよそ4,000㎎~8,000㎎と言われています。昆布類と比較してしまうと随分な違いですが、他の食材と合わせて摂取する分には十分に栄養バランスを保つサポートをしてくれるのではないでしょうか。
食物繊維・・・2.2g
「食物繊維と言ったらキャベツ」と連想する方も多いかと思いますが、実は100g当たりだとキャベツ1.8gに対しナス2.2gと、ナスの方が少し多く摂取することが出来ます。食物繊維は腸で菌が増えることにより、腸内環境が良くなり整腸効果をもたらします。
栄養素がもたらす効果
全体的に栄養素の薄いイメージのナスですが、栄養がないわけではないことがわかりました。
ナスの栄養素について詳しく分かったところで、次はナスの効果について見ていきます。
β-カロテン、アントシアニン
・抗酸化作用
・ガンや活習慣病の予防
抗酸化作用があることから錆びない体を作る食品として、ココナッツオイルが近年話題となりました。その話題の効果を、ナスという日常的に食卓に上がる食材から摂取できるのはとてもお得だと思います。アントシアニンは実ではなく皮に含まれているので、ナスは皮付きのまま調理することをオススメします。
カリウム
・血圧の調整
・体内状態の維持
・あるむくみ解消
・ほてり解消
細胞の働きを正常に保ち体調を整える効果があります。また体を冷やす作用があることから、夏場にナスを食べることは高血圧やのぼせの予防に効果的です。
夏野菜全般が体を冷やす効果がありますが、ナスはその作用が特に強いと認められています。
「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざをよく聞きますが、これは妊婦などが食べ過ぎて体が冷えるのは良くないという意味があります。
ナスの主な効果(まとめ)
・がんや生活習慣病の予防
・体内バランスの維持
・むくみ解消
・高血圧やのぼせ予防
体を冷やさずにナスを食べる方法
多くの女性の悩みであるむくみを解消する一方で体を冷やす作用の強いナスですが、せっかく食べるのに負の作用は受けたくないですよね。
主に肉や魚、大豆食品などに含まれている、タンパク質には体温を上昇させる効果があります。実は、ナスにはそのタンパク質がほとんど含まれておりません。
そのため冷え性の方には注意が必要な食材です。
ですが冷え性さんが食べてはいけないというわけではありません。
少し注意すれば、冷え性さんも安心しておいしく食べることが出来ます。
おなじみの◯◯と一緒に食べる
体温を上昇させるタンパク質と一緒に食べることで、体温の低下を防ぎます。
挽肉入麻婆ナスや魚の付け合わせ、みそ汁やみそ田楽など、肉・魚・大豆食品との相性もバッチリです。麻婆ナスは最高のご飯のお供ですし、みそ汁なんかは食卓の定番ですので意外と簡単に組み合わせることが出来そうです。
温まる◯◯と一緒に食べる
体を温める代表的な食材が生姜です。また、ナスとの相性もとても良いです。
焼きナスにすりおろした生姜をのせたり、煮びたしに千切りの生姜を入れたりして、一緒に摂取しましょう。
麻婆茄子のレシピ動画はこちら
食べ方次第で高い栄養素を得られるナス
栄養素が少ないと思われがちなナスですが、生活習慣病やむくみを予防するなど私たちの健康を支えるナス。体のほてりを和らげることから夏バテにも大変効果的で、夏場の定番食材といえるでしょう。
冷え性さんには注意が必要ですが、知らず知らずのうちに“冷やさない組み合わせ”になっていることが多いようです。昔から受け継がれる知恵でしょうか。
実は私も冷え性ですがナスも生姜も大好物なので、煮びたしを食べる時はすりおろした生姜と千切りの生姜を両方入れ、ピリリとした爽快感を味わっています。
夏と冬で調理方法を分けるなど、少しの注意と意識で効率よくより効果的にナスを食卓に取り入れたいものですね。
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