冬の表現の一つである初冬ですが、どういった意味を持つのでしょうか?
冬のはじめといわれても具体的にいつ頃のことを指しているのかはわかりにくいものですよね。
時期や意味などを知り、初冬について詳しく知っていきましょう!
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初冬の意味や由来とは
まず「初冬」の読み方についてです。音読みでは「しょとう」、訓読みでは「はつふゆ」となり、どちらの読み方でも正解です。
しかしながら手紙に使う季語として「初冬の候」と使う時に限っては、必ず「しょとうのこう」と読みます。「はつふゆのこう」とは読みません。
季節の特徴はというと、いよいよ冬本番を間近にして寒さが厳しくなってくる頃です。
朝冬はめっきり冷え込むようになり、農作物の収穫は終わって本格的な寒さに向けた準備をする時期。この季節の特徴こそが、初冬の意味であり由来であるといえます。
初冬の候の時期
では次に、初冬の時期についてのお話です。
初冬はその名の通り冬の始まりなのですが、具体的には立冬から小雪までの期間を指しています。
まずはここで出てきた「立冬」「小雪」について補足で説明をしていきます。
二十四節気と初冬との関係
「立冬」「小雪」は、二十四節気(にじゅうしせつき)と言われる季節表現に含まれるものです。
二十四節気とは1年間を24に分け、その分け目それぞれに季節表現を付け加えたものです。春夏秋冬それぞれの季節が、6つずつ二十四節気の季節表現をもち、「冬」に含まれる6つののうち「立冬」は一番初め、小雪はその次に位置しています。つまり、冬の中でも最初の2つが示す時期のことを初冬というわけですね。
初冬の時期
立冬から小雪までが初冬(冬のはじまり)であるということが分かったところで、では具体的に何月何日が初冬に含まれるのでしょうか。
二十四節気は、太陽の公転によって日にちに若干のずれが発生することが多いため、毎年何月何日と決まった日時に訪れるものではありませんが、大体の時期は定まっています。
初冬にあてはまる二十四節気のうち、立冬は11月7日頃から21日頃まで、小雪は11月22日頃から12月6日頃までです。この2つの期間を合わせた11月7日頃から12月6日頃までを初冬と言います。
初冬の候を使った書き方、例文
「初冬の候」は、季語として手紙の書きだしに使う事もできます。
11月初旬から12月初旬ごろに出す手紙にはもってこいのご挨拶文となりますね。
どのように使っていけばよいか、早速見ていきましょう。
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書き出し文
文章の書きだしに「初冬の候」を用いた例文としては以下のようなものがあります。
・初冬の候、〇〇様に置かれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
このように、「初冬の候」自体が季語ですのでその後は相手への言葉を続けるだけでも可能です。
・初冬の候、朝晩めっきり冷え込んで参りましたがいかがお過ごしでしょうか。
・初冬の候、日一日と寒さが増して参りましたがいかがお過ごしでしょうか。
これらのように、季語の後に季節の特徴と相手のご様子伺いを続けると、さらに季節感が増しますね。
以上のように、初冬を使ってこの時期ならではのごあいさつ文を考えてみましょう。
結び
書き出し文同様、手紙の結びにも初冬と良い組み合わせの文言で締めくくりましょう。
ここで共通して作りたい文言は、相手の健康を願う内容です。寒くなると体調も崩しがちになりますので、相手の健康を願って結びの文章を作ってみましょう。
・いよいよ本格的な冬を迎える頃になりました。どうぞお身体ご自愛くださいませ。
・これからますます寒さが骨身にこたえる季節となります。どうぞお風邪などお召しになりませんようお気を付けくださいませ。
・寒さが一段と進み、体調を崩しやすい季節が参ります。どうぞご自愛頂き、また元気の○○様にお会いできますことを心から楽しみに致しております。
など、色々な組み合わせで結びの文章を考えてみましょう。
初冬ならではの季節表現を使って
以上のように、11月から12月にかけた気候の変化を文章に盛り込むと、季節感が増してより表現豊かな文章を作ることができます。
初冬が具体的にどのくらいの頃を指すか知るだけで、表現の幅も広がりますよね。
初冬という季節の移り変わりの時期ということを上手に活用して、是非魅力的なお手紙を書けるように挑戦してみてください!
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