江戸時代に徳川家光が子供(徳松)の健康を願ってお祈りしたことにあやかったことから始まったとされている七五三は、もともと関東地方の地域行事として長年親しまれてきました。その後関西に広まり全国的な年中行事となりました。
今では秋になると全国で着物を着た可愛らしいお子さんを見かけるようになりましたね。
さて、街角で着物のお子さんを見る側の私たちは可愛らしさに目を細めますが、大変なのは親御さんですよね。特に初めてのお子さんの七五三は分からないことだらけで右往左往してしまうものだと思います。
そこで今回は神社でご祈祷をして貰った際にお渡しする初穂料について紹介したいと思います。
初穂料と玉串料の違いとは?
神社などで七五三のご祈祷をしてもらった際に収めるお金のことを初穂料(はつほりょう)と言います。
その昔、神様にお祈りを捧げる儀式をした際には農作物をお供え物として神様に収めてきました。
初穂とはその年に取れた最初の稲穂のことを指すのです。
それが徐々に変化して主に農作物のことを初穂と言うようになりました。
初穂料とはこの農作物の変わりに収めるお金のことを言うのですね。
初穂料とは何のことか分かったところで注意したいのが、初穂料と玉串料との違いですよね。
初穂料も玉串料も両方神社で支払う謝礼の事を言います。
一般的に謝礼を渡す際は表書きに「初穂料」や「玉串料」「御礼」などと記載します。
そこで悩んでしまうのが「初穂料」と「玉串料」なので、双方の違いを下記にまとめてみました。
初穂料 | ・各種祝い儀式(七五三、お宮参りなど)
・結婚式 ・各祈祷 ・厄払い ・地鎮祭 ・お守りなどの謝礼 |
その年の最初に収穫された稲のことを指す、その後変化して、農作物の代わりに金銭を初穂の代わりに納めるようになった。
お守りなどの謝礼の際にも記載される。玉串料はお守りを授かる際には使用しない。 |
玉串料 | ・通夜
・葬儀 ・各種祝い儀式(七五三、お宮参りなど) ・結婚式 ・各祈祷 ・厄払い |
榊の枝に紙垂を付けたものを玉串と言う玉串とは神社などで人前に捧げるもの、それが変化し玉串の代わりに金銭を納めるようになった。
通夜や葬儀の際にも記載する。初穂料は通夜や葬儀の際には使用しない。 |
驚いたことに初穂料と玉串料はどちらでも使用出来る場合が多いのですね。
しかし、七五三の場合は「初穂料」と書くことが一般的に多いようです…ややこしいですね…。
それ以外の際は、お守りは「初穂料」、通夜や葬儀は「玉串料」と覚えれば間違えることもなさそうで安心ですね。
七五三の初穂料はいくらぐらい?
前項では七五三の初穂料について記載しました。初穂料とはどんなもので、どのような場合に使用するのかと言うのが分かったところで、次に疑問に上がってくるのは初穂料の金額について。
神社によってまちまちのようですが、初穂料の相場は一般的には「5,000~10,000円」となっています。神社によっては初穂料の金額がはっきりと決まっている場所もありますので、事前に確認するのが良いでしょう。
またお祓いの内容によって相場も変わってくるようですので、そちらも金額を決める際の参考にしても良いかもしれませんね。
〇ご祈祷以外にもお守りやお札を分けてくださる場合…10,000円程度
〇ご祈祷のみの場合…5,000円~
また兄弟揃って七五三というご家庭も珍しくはないようです。
2人分払うのはお財布事情としても痛いですよね…しかし、兄弟2人分の初穂料の場合でも2人分を払うのが妥当なようです。
1人分の初穂料が5,000円の場合は「5,000円×2人=10,000円」となります。
どうしても金額が分からないと不安…と言う場合は、直接神社に電話で確認すると教えてもらえる場合もあるようです。初穂料の金額が気になって七五三当日にずっと憂鬱な気分になるぐらいなら、思い切って神社に電話して金額を聞いてみるもの手かもしれませんね。
七五三ののし袋の書き方
初穂料の金額が分かったところで次に気になるのがのし袋の書き方ですよね。
初穂料は普通のお店で料金を支払うように、お財布から直接お金を出して支払うという事はマナーとして良くないのでやめるようにしましょう。
支払う際はのし袋に入れてお渡しします。その際使用するのし袋は、「紅白の蝶々結びの水引」が好ましいです。
またどうしてものし袋が用意できない場合は普通の封筒で代用出来ますよ。
初穂料の書き方は下記の通りです。
のし袋書き方
・使用するのし袋…紅白の蝶結び
・上段に記載…「初穂料」または「御初穂料」
・下段に記載…ご祈祷を受ける子どもの名前
※下段には子どもの名前を記載、ご両親の名前を間違えて記載しないように注意する。
※兄弟2人分の場合は下段に名前を並べて記載する。
中袋の書き方
・中袋表面…包んだお金の金額
・中袋裏面…住所と、ご祈祷を受ける子どもの名前
※金額を書く際には大文字を使用すると良いでしょう。大文字の一覧は下記の通りです。
大字一覧 | |||||||||||
一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 | 十 | 千 | 万 |
壱 | 弐 | 参 | 四 | 伍 | 六 | 七 | 八 | 九 | 拾 | 仟 | 萬 |
・一万円の場合…壱萬円
・五千円の場合…伍仟円
上記のように記載するのが正しいです。
ですが、あまり難しく考えずに大文字を使用するのが難しいようなら漢数字(「一」「二」など)を使用しても問題ありません。
また、のし袋に記載する際は筆を使用するのが望ましいですが苦手な人は筆ペンなどを使用すると良いですよ。
ご祝儀袋 熨斗袋 筆耕 書き方
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初穂料は神様にお供えするお金
初穂料は聞き馴染みが浅いかもしれませんが、神様にお供えするお金のことです。
神様に失礼のないように最低限のマナーは知っておきたいものですよね。
どうしても分からなくて不安だと言う方は周りの目上の方に教えて頂くか、神社に直接お伺いしても良いです。お子さんの大事なお祝いの場所ですので、親御さんとして出来る限りのことをしてあげたいものですね。
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