おそらく日本で一番有名な募金のひとつであろう赤い羽根共同募金。
しかしながら名前はよく知られていても、実態まで詳しく知るまで至ってないことのほうが多いのではないでしょうか。
また募金するにあたって、どのように使われるのかという事も知りたいところですよね。
知っているようで詳しく知らない赤い羽根共同募金のことを、少し掘り下げてみましょう。
Contents
赤い羽根共同募金のはじまり
赤い羽根共同募金のはじまり
赤い羽根共同募金は、第二次世界大戦終了後にスタートした、民間の民間による募金のことです。戦後直後の日本はすべての面で困窮していましたが、とりわけ福祉施設においては施設数や従事者の減少など、戦争によって荒廃しきっていました。この募金は、そのような社会福祉の復興を目的として市民たちが立ち上げた活動です。
困ったときに助け合い、お互いを思いやる精神が受け継がれている募金団体の象徴といっても過言ではないといえますね。
赤い羽根共同募金の受付期間
私はコンビニエンスストアなどで年中無休の募金受付を日常的に目にすることが多いため、募金というといつでもできること、というイメージを強く持っていました。しかし全ての募金活動がそのような体制をとっているわけではないのです。
赤い羽根共同募金の場合、年単位でスケジュールが決まっています。
私たちが募金できる期間もいつでもできるわけではなく、毎年10月1日から12月31日までと定められています。
赤い羽根共同募金の使い道や相場
では、いつでも募金できるようにしたほうが多く資金を集められるに思うのに、なぜそうしないのでしょうか。
目的を定めた上で募金活動を行う
ただ闇雲にお金を集めることを目的にするのなら、沢山の場所で年中協力してもらえる体制を整えた方が効率よく資金を集められるかもしれません。
しかし赤い羽根共同募金がそういったシステムを取らないのは、根底にある趣旨によるところが大きく関係しています。すなわち設立された当初の福祉施設の復興のためにというように、明確な目的に対して募金を募るといスタンスを貫いているのです。
そのことからも分かるように、この募金の使い道は10月1日からの募金期間に先立って募集される助成申請と、それを基にした赤い羽根共同募金による助成計画によって決まります。これにより、毎年必要なところに資金が行き届くという流れが確立されているのですね。
募金額の相場は?
募金は赤い羽根共同募金のオリジナルグッズ(オリジナルデザインのクオカード)やインターネット上からの応募、スマートフォンのアプリなど、多岐にわたって善意を届けることができます。
また赤い羽根共同募金のデータによると、平成27年度の一人当たりの平均募金金額は144円とされています。一部を除いては〇〇円募金しなければならないという決まりはありません(一部例外があります。例えばクレジットカードやコンビニエンスストアでの募金に関しては2,000円以上と定められています。)
しかしそのあくまで善意、助け合いの精神ですから、高額な募金をしないと意味がないわけではないのです。募金期間中には募金箱も目にすることが多いと思いますので、金額に捉われずまずは参画するところから始めてみてはいかがでしょうか。
その他の羽根募金について
実は共同募金の中には赤だけではなく様々な色の募金もあり、各色別に使用用途があります。
青い羽根募金
海で事故が起きた時、実は遭難救助のためにボランティアの救助員の方々が活躍しています。
青い羽根募金は、そのボランティアの際に必要な資材の整備や救助船の燃料などのために集められている募金です。
緑の羽根募金
国内を主にした森林整備や緑化推進などを目的としている、国土緑化推進機構による募金事業です。募金は特に森づくり、そしてその活動を広める人づくりのために使われています。
春と秋の年2回に募金受付期間があり、とりわけ4月15から5月14日はみどりの月間として、全国一斉強調月間と銘打ったイベントやキャンペーンが行われています。
その他の募金
これ以外にも、漁船海難遺児育英資金(漁業に従事していた方の遺児への就学助成)のための水色の羽根募金や、臓器移植支援の助成に充てられる黄色の羽根募金などがあり、各分野で活用されています。
赤い羽根募金でもそうですが色別に募金の使い道がある程度絞り込まれていますね。
何となくではなく、どのような人のために使ってほしいという募金側の意思が組み込まれやすいため、集まったその募金にも協力者の意図や役に立ちたいという想いが反映されやすいのです。
共同募金70周年記念動画
想いを届ける赤い羽根共同募金
赤い羽根募金はいたずらにお金を集めるのではなく、事前にきちんと目的を明確にし、それに賛同した人たちによる募金であるといえます。
何かを支援するには、お金ももちろん大事ではありますが、同時に支援する側の気持ちもとても大事なのです。そういった面でもこの募金事業はとても有意義な募金ですよね。
また赤い羽根募金の場合その取り組みは各市区町村別で運営されていることもあり、集まった募金はその町のために使われていることも知っていなければなりません。募金のおかげで街がより住みよくなるため、募金をした人にも大きなメリットがあるのです。
大切なお金がしかるべき場所で使われていて、募金する側も助成してもらった側もお互いが幸せになれる赤い羽根募金。ぜひ参画してみましょう。
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