昔から豊かな四季や自然に囲まれた日本には、季節の節目を表す言葉が多くあります。
日本人はかつて、月の満ち欠けの周期をもとにした太陰暦を用いていました。しかし、月の満ち欠けに頼った暦だけでは、暦がどんどんずれてしまい、繊細に自然の変化を読み取る必要のあった農民や漁民にとって、自然界の正確な自然のサイクルが把握できません。
そこで正確な自然のサイクル把握するために、一年を二十四等分した「二十四節気」や「七十二候」など、中国からもたらされた暦法を用いて自然界のサイクルを理解していたのです。今回は、「二十四節気」のひとつである「立夏」について、その意味や由来・日にちの決め方や旬の食べ物など、詳しく掘り下げてみていきたいと思います。
「立夏」の意味や由来とは
「立夏」と書いて「りっか」と読みます。「二十四節気」の七番目にあたります。天文学上では、立夏は「太陽が黄経45°に達したときである」とされていて必ずしも毎年決まった日ではないようです。「夏が立つ」と書き、この日から夏が本格的に始まります。「立夏」の時期は春に咲いた花が散りはじめ、緑が生い茂る時期です。というわけで、2018年の「立夏」は5月5日(土)となっています。
また「立夏」のはじめの日から、次の節気である「小満」(毎年5月21日頃)までの期間を指す場合もあります。この時期には田植えや種まきが始まります。
「二十四節気」には、さらに各時期を更に細かく三つずつに分け、七十二に区分する「七十二侯」という考え方もあります。それによると、「立夏」は次の三候に区分に分けることができます。
初候:蛙始鳴(かわづはじめてなく) 5月5日~5月9日頃
春先に冬眠から目覚めたカエルが元気に活動し始める時期です。オスの鳴き声はメスへの求愛ともいわれています。
次候:蚯蚓出(みみずいずる) 5月10日~5月14日頃
冬眠していたミミズが土の中からにょろにょろとではじめる時期です。他の生物に比べると少し遅いですが、ミミズはマイペースに活動を始め、土を肥やしてくれます。
末候:竹笋生(たけのこしょうず) 5月15日~5月19日頃
タケノコがニョキッと顔を出し始める時期です。伸びすぎないうちに早めに収穫してください。伸びすぎると苦くなります。タケノコは、その種類によって収穫する時期が若干異なるので3月~6月くらいまで収穫することができます。
「立夏」のオススメの食べ物
この時期のオススメの食べ物と言ったら、なんといってもタケノコやニンジンといった山の幸、また、金目鯛(きんめだい)やあさりといった海の幸がオススメです。
特にタケノコは近年放置竹林が問題になっていることもあり、自然が豊かな地域では割とたくさんあります。土地の所有者に事情を話して、タケノコ刈りを楽しみながら収穫するのもこの時期の楽しみ方のひとつでしょう。また、この時期のとれたての新鮮なのニンジンは栄養が豊富に含まれています。苦手な方も多いですが、細くスライスしてパスタのようにしたり、牛乳や生クリームをふんだんに使ってニンジンのポタージュスープを作ってみてはいかがでしょうか。皮にも多くの栄養が含まれているため、できるだけ皮ごと食べると良いかもしれません。
金目鯛は様々な調理方法で楽しめますが、是非試してみたいのが金目鯛の辛甘煮付けです。ゴボウと白ネギがあれば、あとは身近な調味料で簡単に作れてしまうのでオススメです。あさりはみそ汁にして食べるのもよいですが、しょうがをせんぎりにして「しぐれ煮」を作るのも良いかもしれません。先ほどのニンジンパスタの上に乗せて食べるのも良いでしょう。また、この時期の初候はちょうど「端午の節句」なので、みんなで集まって柏餅を食べるのも良いかもしれません。
タケノコ料理には欠かせない! タケノコの皮のむき方、タケノコ刺身のつくり方、こちらの動画でレクチャーしています!
また、立夏の前に「土用の丑の日」にありますが、なぜウナギを食べるのかご存知ですか?
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「立夏」はぽかぽか、お出かけの時季
いかがでしたでしょうか。今回は「立夏」について、その意味や由来・日にちの決め方、旬の食べ物など、掘りさげてみてきました。「立夏」とはうっとうしい梅雨がやってくる前の、清々しい天気が続く時期のことを指すみたいですね。夏が本格的にやってくる前に、散歩にでかけて暖かい陽気を感じてみるのも良いのかもしれません。
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